- コーヒーの味わいは何で決まるんだろう?
- どうすればおいしいコーヒーを入れられるの?
こんにちは、田舎でほそほぞと暮らしながら、自分の生活を再編している編集系クリエイターのコケシです。
さて、今回は快適な生活を送るキーになっているコーヒーの味わいについて。
コーヒーの味は、苦味や酸味のほかにも、チョコレートや柑橘系などさまざまな表現がされますよね。
今回は「何がその味を決めるのか」をまとめてみました。
そんな人に、コーヒーの基本の知識が身につく内容になっています。
目次
コーヒーの味ってそもそも何?
「そもそもコーヒーの独特の香りや味はどこからくるのか?」
コーヒーは「コーヒーノキ」という木になった実にいろんな手を加えた「コーヒー豆」の成分を抽出することで、その独特の味わいが生まれます。
コーヒーの実には糖分や苦味、酸味の素となる成分が含まれています。それを乾燥させたり、寝かせたり、焙煎したり、いろんな手を加えるんですね。
コーヒーの味わいの表現方法はいろいろあります。でも、つきつめると「酸味」と「苦味」に集約されます。
この酸味と苦味の濃度の組み合わせで、チョコレート系だったり、柑橘系だったりとさまざまなフレーバーが生まれます。
コーヒーの風味の種類については、話し始めると長くなるのでここではやめておきます。(「山と珈琲、心の一杯」というサイトにまとまっているので、興味の方はご覧ください)
「コーヒーって本当にチョコレートの味がするの?今まで飲んだときにはわからなかったな」
そんな疑問をもった方はコーヒー感度が高い方です。続けて、説明していきますね。
本当にチョコレートの味がするわけではない
フレーバーはフレーバーです。本当にチョコレートの味がするわけではありません。「チョコレートのような味」がするだけです。
こうした理由で、チョコレート系とか柑橘系とかの表現がされています。
でも、不思議です。飲みなれると、本当にチョコレートを食べているような感覚におちいるんですよね。
香りや飲み口だけでなく、口の中に残る渋みなどが、カカオを連想させるんでしょう。
コーヒーの味を決める8つのステップとは?
では、酸味や苦味がどうやって決まるのか。コーヒーの栽培から抽出までの次の8つの工程で決まるんです。
細かく書いたので、わかりにくいかもしれませんが、実は大きく2つの工程に分けられます。
- (1~3)コーヒー豆の個性をつくる工程
- (4~8)コーヒー豆の個性を引き出す工程
ではでは、それぞれがどのように「コーヒーの味」に影響するのか、簡単に解説してきますね。
①栽培農園(原産国)
「どういう場所で栽培されたか」で豆の特徴はだいたい決まります。
お米にたとえて考えてみましょう。お米を買うとき、こだわる人なら「新潟産のコシヒカリ」など狙い撃ちしますよね。最近では、「食べチョク」など農家から直接買えるサービスも出ています。
農園は膨大にあります。最初は面倒に思うと思うので、農園の違いは慣れてから楽しむとかでいいと思います。
それまでは、コーヒーショップのブレンドを飲み比べたり、国や地域、港から好みの味を探す。そのうちに、自然に農園の違いにも目が行くようになると思います。それから、ぜひ農園の違いを感じてみてください。
ちなみみに、スペシャリティコーヒーという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、農園ごとの味の違いを味わい尽くそう、というのがスペシャリティコーヒーのめざすところだったりします。
②精製法
精製法は、コーヒーの実をコーヒー生豆に変えるプロセスです。大きく3つの方法があります。
どの方法で精製されるかは、市場の動向、地理的環境、コスト、生産者の好みなどで決まります。
たいていは豆の個性を引き出す方法が選ばれますが、同じ豆でも別々の方法で精製されることもあります。違いを比べると面白いです。
一般に、ウォッシュドはコーヒーらしく、ナチュラルは個性的に、ハニーはその中間という感じです。
お米は精製方法が決まっていますが、コーヒーはほんの20年ほど前まで生産者を気にもしなかったので、またまだ研究中。なので、最近になって見直されているものの、いろんな方法があります。
③焙煎
コーヒーの味は「焙煎8割、抽出2割」といわれます。コーヒーの生産農園が重視される前の話ですが。
でも、今もこの原則はあまり変わりません。
コーヒー生豆の味を最大限引き出すためには、それに見合った焙煎が必要です。
お米と比較してみましょう。最近は、炊飯器メーカーは銘柄炊きに力を入れてますが、同じ考え方です。お米の性質にあった水分量や熱の加え方でもっともお米の個性を引き出す炊き方をしましょう、という考え方です。
「焙煎は専用の大きなロースターが必要なので個人ではできない」
と思うかもしれませんが、個人でも焙煎はできます。フライパンで炒ればいいのです。合羽橋などの道具屋さんに行けば専用の手網なんかも売っています。
運が良ければ、お店と同じレベルの焙煎ができます。ただし
- 焼きムラ
- 火の入り過ぎ
- 中まで火が通っていない
など失敗する可能性もあります。自己責任でやりましょう。
ちなみに、生豆は店頭に売っているお店もありますし、インターネットでも簡単に手に入ります。
④グラインダー(挽き目)
次は、グラウンダーで豆を挽く。栽培や焙煎と同じくらい重要なステップです。
コーヒー豆は、挽いた挽き目で成分の抽出度合いが決まります。挽き目は「挽かれた粉の粒の細かさ」のこと。網の目を通したような細かさから「メッシュ」とも呼ばれます。
挽き目は、こんなちがいを生みます。
あらさは成分の抽出量に直接影響します。水が豆から成分を抽出するとき、どれだけ多くの豆の面が水分に当たっているかで、抽出率が変わります。
まとめると、
- ①細かければ細かいほど粒が多くなる。
- ②粒が多くなると水との接地面が増える
- ③より抽出量が増える
ただし、「成分がより多く抽出される=いいこと」というわけではありません。ここがコーヒーが面白いところ。
成分が多く抽出されると、その分、苦味が強くなります。
気になる方は、極細挽きのエスプレッソと、中粗挽きのドリップコーヒーを飲み比べてみてください。近所のスタバで注文できますよ。
さて、挽き目の正解は
栽培環境や焙煎によって生まれたコーヒー豆の特徴を最大限引き出せる挽き目です。
挽き目で風味をコントロールするという手法もあります。でも、本来的には焙煎までで豆の特徴をつくり、抽出ではそれを最大限引き出すのが理想的です。
グラインダーの選び方や、僕のおすすめのグラインダーについては別の記事にまとめているので、よかったらご覧下さい。
⑤抽出器具
コーヒーの抽出器具はたくさんの種類があります。ざっと並べると、こんなところでしょう。
細かくみていくと、それぞれはさらに分けることもできますが、ここではここまで。
焙煎はなかなか手が出ませんが、抽出は誰でも手が出しやすいので、いろんな抽出法が発展してきました。
抽出器具によって、引き出される豆の個性は変わります。苦味、酸味だけでなく、油分、粉末などさまざな特徴を引き出します。
味わいでいうと、上にあげた抽出器具の順で変化します。フレンチプレス→エスプレッソの順で、コーヒー豆の成分がより引き出されます。
お米でいうと、炊飯器か、土鍋か、フライパンか、どれで炊飯するかの違いです。なので、味わいについては、次の5〜9のほうが影響が大きいです。
⑥水量
水の量も「成分の抽出量」をコントロールする要素です。
- 水の量が増える→コーヒーが薄くなる
- 水の量が減る →コーヒーが濃くなる
⑦湯温
湯温も「成分の抽出量」をコントロールする要素です。温度が高くなるほど、成分がよりおおく抽出されます。
- 温度が低い→コーヒーが薄くなる
- 温度が高い→コーヒーが濃くなる
⑧抽出時間、スピード
抽出時間、「成分の抽出量」をコントロールする方法です。時間かけたほうが濃くなりますが、長すぎると薄くなります。
抽出時間については、3分が目安です。コーヒーの量が増えても、それ以上時間をかけると余計な雑味が入り込みます。
- 抽出時間が短い→コーヒーが薄くなる
- 抽出時間が長い→コーヒーが濃くなる
コーヒーの美味しい、まずいは「あなた次第」
コーヒーの味が何で決まるのか、ここまで8つのポイントで紹介してきました。
各ポイントでどう選択するか、でコーヒーの味は変わってきます。
覚えておいて欲しいのは、「万人受けするコーヒーはない」ということ。
酸味や苦味、濃い、薄い、など、コーヒーの味わいが多彩な以上、それを飲む人の好みも千差万別になります。
ぜひ「自分の最高のコーヒー」を探してみてください。
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